2010年03月20日

「春分の日」とは何ぞや?

3連休に入りましたね。
まるまる3日ともお休みの方も多いでしょう。

ところで、「春分の日」って、そもそもどういう日かご存知ですか?

「春分」とは、昼夜の長さがほぼ同じになるとされる日です。
でも、「春分」は日本だけの習慣ではありません。
太陽暦を採用している世界中の国で採用されており、
英語では「the vernal equinox」といいます。

そして、春分は毎年若干の誤差が生じるため、
春分の日は3月20日だったり21日だったりします。
今年は3月21日です。

では、なぜ日本ではこの日が祝日なのか?

実は、この日はかつで、「春季皇霊祭」という「祭日」でした。
どういうことかというと、この日を中心とした半年間に
命日(忌日)を迎えた歴代天皇や主な皇族を、まとめて奉祀する日なのです。
例えば1月7日が御命日であらせられる昭和天皇は、この日に奉祀されます。
「春季皇霊祭」は、時の天皇が主催して御勤めになります。

今でも、天皇陛下はこの祭祀(さいし)を毎年執り行っておられます。
もちろん今年も。国民が3連休に浮かれている間に・・・
実にありがたいことですね。

そして戦後になって、GHQの指示により、この日を「祭日」とすることを廃止、
新たに「祝日」として、「春分の日」を制定したわけです。

日本人なら、「祭日」と「祝日」の区別はつけておくべきですね。

そして今や、「春分の日」は「彼岸」と深く結びつくようになりました。

彼岸(ひがん)とは、煩悩を脱した悟りの境地のことで、
煩悩や迷いに満ちたこの世を
こちら側の岸、すなわち「此岸」(しがん)と言うのに対して、
煩悩を脱した向う側の岸を「彼岸」といいます。

そして、春分・秋分を中日とし、前後各3日を合わせた7日間を「彼岸会」と呼び、
中日に先祖に感謝し、残る6日は、いわゆる彼岸の悟りの境地に達するのに
必要な6つの徳目、「六波羅蜜」を1日に1つずつ修めるためとされています。

日本で初めて彼岸会が行われたのは、平安時代初期の806年で、
崇道天皇(早良親王)のために、諸国の国分寺の僧に命じて
「七日金剛般若経を読まわしむ」と『日本後紀』に記述されています。

そして、春の彼岸にぼたもちが供えられるのは、彼岸の頃に咲く「牡丹(ぼたん)」に
由来していると言われています。



このように、ひとえに「春分の日」と言っても、歴史を振り返れば、
実に意義深く、大切にしなければいけない「国民の祝日」であることがわかります。

「祝日」とは単に「お休みの日」ではなく、「祝う日」です。

なぜ祝うのか?をしっかり理解すれば、祝日に感謝の気持ちが持てるようになりますね。

というわけで、みなさんよい3連休を!




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Posted by Takashi Okamoto at 10:36│Comments(0)日本の伝統文化
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